
小野朱莉(おのあかり)さん
色ごとにどの様な効果があるのかをご紹介していきます。
さてどんな色やイメージでアレンジメントを作ってみましょうか。
小野朱莉(おのあかり)さん
シンプルに作用や効果などを色別にまとめました。お花選びの参考になるといいですね。
まずは文字通り暖かく感じる暖色系から。
●赤
「主な分泌ホルモン」アドレナリン
「刺激部位」循環器系
「作用」血流促進
「効果」興奮、情熱
●ピンク
「主な分泌ホルモン」エストロゲン等
「刺激部位」腺下錐体
「作用」血流をよくする
「効果」快活、若々しさ
●橙
「主な分泌ホルモン」インシュリン
「刺激部位」自律神経
「作用」アルコール拒否
「効果」健康増進
●黄橙
「主な分泌ホルモン」グレリン
「刺激部位」自律神経
「作用」食欲増進
「効果」食欲、元気
●黄
「主な分泌ホルモン」エンドルフィン
「刺激部位」自律神経
「作用」笑いを生む、鎮痛
「効果」明朗
暖色系に続いて寒色系。
●黄緑
「主な分泌ホルモン」成長ホルモン
「刺激部位」自律神経
「作用」成長を促進する
「効果」成長
●緑
「主な分泌ホルモン」アセチルコリン
「刺激部位」脳下垂体
「作用」ストレスの解消
「効果」安心
●青
「主な分泌ホルモン」セロトニン
「刺激部位」視床下部
「作用」血液の生成、精神の安定
「効果」安心、集中
●青紫
「主な分泌ホルモン」オブスタチン
「刺激部位」自律神経
「作用」食欲抑制
「効果」集中、安定
●紫
「主な分泌ホルモン」ノルアドレナリン
「刺激部位」視床
「作用」危険への警報
次にご紹介するのは白と黒。
●白
「主な分泌ホルモン」複数
「刺激部位」視床下部
「作用」筋肉緊張
「効果」向上心
※白の補足:白はすべての色(波長)を含んでいるため、すべてに影響すると考えられています。
白を見てすっきりするのは、白が視床下部に残存する各色のバラバラな刺激をすべて100%の状態(リセットする)からだといいます。
●黒
「主な分泌ホルモン」なし
「刺激部位」影響しない
「作用」なし
「効果」心理的安定
※黒の補足:黒には刺激すべき波長がありません。網膜の杆体細胞を刺激し、明暗のシグナルを送っています。
黒を見て安定した気持ちになるのは、刺激がなく、安心できるからです。
いかがでしょう?お花として考えられる色をまとめてみました。「今の自分にはこれが必要」など気になる色がみつかりましたか。
また、色にはメッセージが3種類あるといわれています。
これまで述べてきた・生理的メッセージの他に、
・記憶的メッセージ(かつて体験した色にまつわる事がらについてその色をみると思い出す)
・知識的メッセージ(色に民族や文化が特別に意味を持たせたもの。風土や習慣として根付いている。例えば日本で太陽の色は赤。ヨーロッパでは黄色。ラベンダー色をみて癒されると思うのは、アロマのラベンダーの効能を知識的に知っているから)
…以上があります。
それらもふまえて数種のお花を組み合わせること、配色するにあたってかかせないのは色の三属性です。
【色の三属性】色相・明度・彩度
この色の三属性を操って、どういうイメージのアレンジメントを作るかということもポイントとなります。…可愛らしい、シャープ、シックなど。
そして大切と思われるのは、自分がその時に使いたい色や好きな色。もしかしたら自分の深い所から本当に欲している色かもしれませんね。
誰かから頂いた花束でも、家にあるグラスや空き瓶に小分けして色別に生けてみるのは良いアイデアです。小さく分けられるので、家の様々な場所へ配置することができます。
元気が出そうな赤いお花は朝一番に目の付く場所へ、青や緑のお花は寝室へ、優しいオレンジ色のお花はなんだか食欲がわきそうだからダイニングへ、など多様に楽しむことができます。
庭やベランダで育てているお花が咲いているけれど、次の日が大雨で…なんていう日には、お花がダメになってしまう前にカットしてきてお部屋に飾ってみるのはいかがでしょう。ちょっとした小さなアレンジが楽しめそうですね。
参考文献
「デジタル色彩デザイン」
南雲 治嘉著
グラフィック社
取材
COLOR ME BEAUTIFUL(R) カラーイメージコンサルタント。
デジタルハリウッド大学 南雲治嘉研究室 研究員(先端色彩学)
社団法人 インテリア産業協会 インテリアコーディネーター