
五感鷹匠 髪の病院
松下和生さん
秋になり、ふとした時に髪の毛を触ると、夏の頃より髪にパサつきを感じることがあったりするのではないでしょうか。今回は「髪の病院」代表の松下和生さんに秋に感じる髪の毛のパサつきの原因、予防法について伺ってきました。
五感鷹匠 髪の病院
松下和生さん
髪がパサついてしまう原因は人によってさまざまですが、空気が乾燥し始めると髪の毛の中にある潤いがそのまま抜けてしまうことが主な原因として考えられます。また秋は、夏の間に受けた紫外線の影響を感じやすい時期といえるかもしれません。
髪がパサつくと感じるのは、湿度と日照に関係があります。髪の毛はタンパク質でできているのですが、髪に含まれるタンパク質の「アミノ酸システイン」を、紫外線であるUVBが分解してしまうのです。そのため、髪の色の中身がスカスカな状態に。その結果、髪の色が明るくなり、切れ毛や枝毛などで髪の毛が弱くなってしまいます。この状態になると、見た目でも髪が傷んでいることが分かるのです。
診断の方法はいくつかあるのですが、自分で確認する場合は触診がおすすめです。まず髪の根元を軽くつかみ、毛先に向かってスーッと下ろしていきます。もし、途中で髪の毛の手触りが変わったら、その個所が、実はダメージを受けた状態になっているのです。
ただし、自分で髪の毛をチェックするだけでは分からないこともあるため、髪質を客観的に知りたい場合は毛髪診断士に診てもらうのが良いでしょう。
毛髪診断士は、チェックするときに「デジタルマイクロメーター」という機械を使います。髪の毛の太さを測る機械になるのですが、癖の強さなども判断することが可能です。またマイクロスコープを使ったチェックも行っています。診断の方法はお店によって異なりますが、これにより毛穴のつまりがあるかどうかが分かるので、頭皮環境の改善のヒントにつながると思います。
シャンプーによって仕上がりに違いがありますが、まとまる系のシャンプーを選ぶといいでしょう。髪がパサついてしまう人は、自分の髪の太さに合った栄養成分が入っているシャンプーを使うことも大切ですね。たとえば、髪の毛が細いのにしっとり系のシャンプーを使うとパサつきはなくなりますが、ベタついてしまう可能性があります。こういった場合は、「サラサラ髪仕上げ」などのシャンプーを使うといいでしょう。
髪質に合ったシャンプー選びも大事ですが、より重要になるのはシャンプーの方法です。「自分は大丈夫」と思っていても、実は洗い方が間違っているかもしれません。改めてチェックしてみてください。
1. シャンプー前に頭皮を中心に約3分湯洗いする。
2. シャンプーをしっかり泡立て毛髪になじませます。その後1度泡を流し、再度泡立てたシャンプーでしっかり洗い、毛先を泡で包んで1分置きます。その後しっかりすすぐ。
3. トリートメントを毛先から中間へ揉み込みながら塗ります。次に髪をくしでとかした後3分以上置いてから流します。
4. 毛流れに沿って濡れた髪をタオルで水分をとった後、洗い流さないトリートメントをつけ揉み込む。そしてドライヤーで乾かします。
紫外線は髪だけでなく頭皮自体にもダメージを与えてしまいます。秋でも夏のように日差しが強い日は、つばの広い帽子を被ったり日傘をさしたりし、紫外線を浴びないように防ぐことが大切です。
秋に感じる髪の毛のパサつきは、髪質にあったケアをすれば予防することができます。自分で髪質をチェックするだけでは分からない点もあるので、詳しく知りたい方は毛髪診断士に診断してもらうのがおすすめです。自分の髪質を理解し、シャンプー選びと髪を洗う方法を正しく行うことで、潤いのある髪を手に入れることができるでしょう。
取材
静岡市の髪質改善クリニック「五感鷹匠 髪の病院」代表で美容師である。さらに毛髪診断士、毛髪構造復元士の資格を持っている。好きなものは猫、コーヒー、美容。